思い出のラーメンがある。
横浜で生まれ育った自分は、高校生のころ、たまに新横浜のラーメン博物館に行っていた。当時、そこには「蜂屋」というラーメン店が入店していた。
北海道・旭川に本店を構える蜂屋。豚骨と魚介のWスープに、焦がしラードを乗せた醤油ラーメンが名物だ。
旭川ラーメンは一般的にラードを入れる。寒い地域でスープが冷めないようにするための工夫だという。蜂屋の焦がしラードは、その中でも独特であり、強烈な味の記憶が鮮烈に蘇る。誇張でもなんでもなく、その後の数時間にわたって、口の中に味が残っていた。
当時の恋人と麺を啜りながら食べていたような気がする。どんな会話をしたかは覚えていないが、強烈な味だけは覚えている。
蜂屋はその後、ラーメン博物館から“卒業”。神楽坂にも支店を出していたようだが、現在は旭川にしか存在しない。
いつの日か、旭川へ、蜂屋のラーメンを食べるためだけの旅をしようと思っている。
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