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From The Inside

Ubique Media Daemon

今年の良かった記事 #HyperlinkChallenge2015

media

ハイパーリンクチャレンジ2015が id:hase0831さんから回ってきました。

hase0831.hatenablog.jp

この記事を読む人はもうだいたい知ってると思うので詳しくは省略しますが、このあたりを読むと概要が書いてあります。

・その年(前年12月〜本年11月)までに公開されたウェブコンテンツから印象に残った記事を2本だけピックアップする。1本は自らが執筆・制作に関わった記事、もう1本は他媒体で公開された記事とする。

【ハイパーリンクチャレンジ2015】僕にとって今年1番おもしろかった記事。 #HyperlinkChallenge2015 #孫まで届け | 隠居系男子


趣旨を読むとWebメディアの話をしていそうだったので、「他媒体で公開された記事」については、勝手に「いわゆるWebメディアの記事」を対象としてみました。ブログやCGM(ニコニコ動画やpixivなど)は対象外としました。また「記事」と書いてあったので、なんとなくWebコミックも対象外としました。これらを加えるとだいたい上位がこれらで占められます。「自らが執筆・制作に関わった記事」は縛りを無くしました。

1年間を振り返るにあたっては、はてなブックマークを利用しました。自分のブックマークを対象期間分、振り返りました。

印象に残った、他媒体で公開された記事

こちらです。

jp.residentadvisor.net

RA (Resident Advisor) は、僕が最も好きなWebメディアのひとつです。エレクトロニックミュージックにまつわるニュース、インタビュー、レビュー、ライブ動画などを扱っています。ロンドン、ベルリン、そして東京にオフィスがあります。

上記の記事は、現代のエレクトロニックミュージックにおいて不可欠な“楽器”であるTB-303、TR-808、TR-909を1980年代に生み出した、日本のRolandという会社へのインタビューです。インタビュアーはベルリンのJordan Rothleinという方です。

既にこの手の音楽に興味の無い人は離脱していそうですが続けます。テクノ、ハウス、ヒップホップなどの分野において、303、808、909は無くてはならない電子楽器でしたが、これらはまったく別の用途で作り出されたベースマシン/リズムマシンであり、エレクトロニックミュージックの「無くてはならない」楽器となったのは、製造が中止されてからでした。無くてはならないどころか、そのジャンルそのものとすら言える、象徴とも言うべき存在です。本来、ベーシストやドラマーの代わりとして作られたこれらのマシーンは、ビヨビヨしたアシッドサウンドや、エレクトロニックミュージックの背骨とも言うべきリズムを奏でるための楽器として機能しました。では果たして、生みの親であるRolandは、それをどのように評価していたのか。そして、長きにわたってこれらの成功とは方向性の異なる楽器を作り続け、そして2014年になって、唐突に回帰とも言うべき形でAIRAシリーズを発売した意図はなんなのか。このインタビューは、そうした「誰もが知っているが、誰も知らない」Rolandという会社の見ているものについて、迫っています。

「昔自分がシンバルを叩いてサンプリングした音を皆さんが使っているということは、私たちと共演していることになります。世界中の様々なミュージシャンと共演できていることはすごく幸せなのですが、だからといって(そのサウンドを)使った曲を聴いているかというと」まで言うと彼は笑って続けた。「実は聴いていないんですよね」


この部分を読んだときに、ああ、やはり、と思いました。やはり彼らは、決してそうした音楽の世界に接近しているわけではない。結果として彼らの作った楽器がエレクトロニックミュージックを作り出す土壌となっただけで、その視線は、はるか先、未来を見据えている……。楽器と、音楽と、人。何かを作る人のためのもの(≒楽器)を作る、その作り手の意志とは無関係に、思いも寄らない形で、人は想定していなかったものを作り出す。それとは別に、作り手はまた、未来を見据えて別の何かを作っていく。とても素晴らしい話だと、思いませんか。

「30年以上もダンスミュージックでTRやTBの音が使われていることには何か意味があるだろうという点をも再考しました。ですが、なぜ選ばれ続けているのかというところまでは分からなかったので、だったら完全に分解して、中の情報を取り出してやろうと。私たちはこれをACBテクノロジーと呼んでいます。アナログパーツの特性をひとつずつモデリングして、実際のTR-808などがどう動いていたのか、TBがどう動いていたのかをモデリングしていきました」


この、このすごさが伝わりますか。彼らは、過去の自分たちのプロダクトを「客観的に」見つめ、解析したのです。それは、狂乱と一定の距離を保ちつつも、しかし尊敬を忘れず、冷静に向き合うという、極めて困難な道のりです。

303の、808の、909の音を聴くたびに、僕はこの記事を思い出します。


 ○ ○ ○


なんとか1本に絞ったものの、他にも良いものがたくさん見つかってしまったので、貼ります。


jp.techcrunch.com

いやあ、さすが星暁雄さんと西村賢さん……という感じですね。シビれました。


wotopi.jp

“欠損女子”に会えるバーの話。これこそジャーナリズムだと深く感銘を受けました。


blog.twitter.com

「Webメディア」の範疇に入るかは微妙ですが、企業の公式アナウンスとして、とても真摯なご説明だと感じました。タイトルもとても良いですね。


www.senken.co.jp

繊研plusさんによる、ベルリンのクラブファッションの話。たしかにBerghainは、ドアマンによる「選別」が行われるということで有名ですが、どんなカッコをした人がよくいるのかという切り口は見たことが無く、うまい視点だなと思いました。


portal.nifty.com

とにかくゲラゲラ笑いました。素晴らしい。


ebook.itmedia.co.jp

田亀源五郎先生の『弟の夫』は、今年最も素晴らしかったマンガ作品のひとつです。大変おもしろいインタビューでした。

印象に残った、自らが執筆・制作に関わった記事

こちらです。

b.hatena.ne.jp

すみません、ちょっと反則だと思いました。まず、執筆・制作に関わったというと大変おこがましくて、僕はサイト全体のディレクションをさせていただいた立場でして、中身はノータッチです。なのでレギュレーション違反かもしれません。すみません。さらに言うと、すでに本になって出版されていますので、現在はWebでは読むことができません。ということで当時のブックマークのページを貼りました。

多くは語りませんが、「身近な人の死の受け止め方」について、村上春樹さんの回答を読んで、何かが腑に落ちたように感じました。


 ○ ○ ○


他にもいくつか印象に残っているものがあるので貼ります。はてなブログMediaで構築いただいたオウンドメディア上にて、ブロガーの皆さんを始めとした多くの方々と、いろいろな記事を作らせていただきました。株式会社はてなでは、こんなようなお仕事もしております。ご興味のある方、特に編集長的な部分にご興味ある方、募集中です!(唐突な宣伝)


next.rikunabi.com

id:kobeni_08さんとは昨年からワーキングマザー系の記事を何本もご一緒させていただきました。僕自身、勉強になることが多く、とてもありがたい取り組みでした。


srdk.rakuten.jp

id:toithomasさんに書いていただいたこの記事は、ずっと読まれ続けていて、世のトイレトレーニングに悩む皆さまに読んでいただけているのだとしたら、とても嬉しいなあという気持ちでいっぱいです。楽天さんの「それどこ」はこの記事以外も、立ち上げから中身まで全般的に関わらせていただいており、たいへん楽しくやっております(編集の現場で求められるスキルや心構えとは? はてなオウンドメディアマーケティングセミナーを開催しました - はてなビジネスブログ)。


www.itstaffing.jp

先日公開したばかりの記事です。取材・執筆を担当させていただきました。id:TAKESAKOさんに久しぶりにお会いして、いろいろお聞きできて良かったです。楽しかった!


minesweeper96.hatenablog.com

最後に自分のブログから。昨年末に書いたマンガ年間ベスト記事です。毎年書いているのですが、2013年の記事から多くの方に読んでいただけるようになりました。ありがとうございます。好きで書いてるだけなんですけどね。今年もそろそろ準備をします。

次に回したい人

思い切って、大先輩おふたかたを挙げてみます。ご参加いただけるかは分かりませんが……。

吉岡さんは、僕のITmedia時代の大先輩です。今年プレジデント社に転職、現在は PRESIDENT Online / PRESIDENT WOMAN Online それぞれの副編集長をされています。

星さんは、テックメディア業界で知らぬ者はいない素晴らしいITジャーナリストです。僕自身、数年にわたって、たいへんお世話になっています(前述の、及川卓也さんのIncrements社入社の記事をはじめ、さまざまな場所で多くの素晴らしい記事を残されています)。

もちろんご参加いただけるかどうかはご自由ですが、もし、よろしければ、おふたりの選ぶ「今年の記事」を、見てみたいなあと、思います。


それではこの辺で。