『ベルガマスク組曲』、あるいはドビュッシーと電子音楽について

この記事は、クラシック曲 Advent Calendar 2015 - Adventar の24日目です。

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幼少期にピアノを習っていて、それなりにいくつかの曲を修得したのですが、年を経ても脳裏に焼きついて離れないのは、クロード・ドビュッシーの楽曲群でした。特に思い入れの深い曲が『ベルガマスク組曲』です。


このプレリュードが大好きで大好きで、何度も練習した記憶が蘇ります。力強い低音で支えつつ、高音部が踊るように流れていくのを、どのように表現したらいいだろうかと幼い頭で考えたことを覚えています。当時は情感たっぷりにベタッとした感じで弾いていた気がしますが、たぶん軽やかに弾いた方がこの曲は良いんだと思います。


一般にベルガマスク組曲といえば「月の光」でしょう。こちらはちょっと叙情的すぎてベタすぎるなあーと当時は弾きながら思っていたのですが、まあ良い曲ですよね(ひどい)。

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そんなふうに幼少期はピアノの音を楽しんでいたのですが、中学生のころに電子音楽に出会って人生がねじ曲がっていき、途中で冨田勲先生に辿り着いた結果「月の光」で自分の音楽人生が1本に繋がるというオモシロ体験をしました。

月の光

月の光

  • 冨田勲
  • エレクトロニック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

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後に電子音楽やミニマル、現代音楽を愛聴するようになる自分にとって、ドビュッシーは原点のように感じます。冨田勲先生の「月の光」もそうですし、YMOの坂本龍一も元々はドビュッシーに強く影響を受けています。ピエール・ブーレーズは現代音楽が「牧神の午後への前奏曲」から始まったと言っていますし(この説について議論ができるほど自分は音楽理論に詳しいわけではないので、そのあたりはお詳しい方にお任せします)(牧神を初めて聴いたときはぶっ飛びましたし、ニジンスキーによるバレエを初めて観たときもぶっ飛びました)、つまり自分の音楽人生はずっと一貫していたんだよ!という結論です。良い話でしたね。

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