小椋アカネ『彼女になる日』が2巻も発売でめでたい

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ヤッター2巻ダー。

本作『彼女になる日』はなかなか不思議な展開をしております。簡単に言うと以下のような感じ。

  • 白泉社から花とゆめコミックス初の「単行本描き下ろし」という形で『彼女になる日』刊行
  • 好評だったためかスピンオフ『彼女になる日 Another』がLaLaDXで連載開始
    • Anotherは2巻まで出てます
  • さらに好評だったためか『彼女になる日』の続きがAneLaLaで連載

で2巻発売です。めでたいですね。

本作は伝統ある、いわゆるTS(性転換)ものです。男が女になっちゃう的なマンガですね。

「男女比を一定に保とうとするため、女性が少なくなると一定数の男性が女性に変化(=羽化)する世界」という設定のもと、幼なじみの三芳君と間宮君のうち間宮君の方が羽化してしまったというところから物語は始まります。1巻は「片方が女性化したことにお互い戸惑いながらも近付いていく」という王道の展開で、もともと単巻描き下ろしの予定だったので話は完結しています。じゃあ2巻は何をしているのかというと、ひたすらにイチャイチャしています。最高かよ。

そもそもTSものといえば「あいつはもともと男のはずなのに」と「自分はもともと男だったはずなのに」が定番ですが、それは1巻でケリがついているわけです。でも実は「女性になった自分に戸惑う」というモチーフは継続していて、1巻でも登場した「『自分と父を捨てて別の男のところに行った大嫌いな母』とそっくりの外見になってしまった自分」という間宮の葛藤がより色濃く描かれます。間宮を襲うのは「自分も母と同じになるのではないか」という恐怖心です。

母が嫌いな間宮は、母のような女性性を拒んで、男っぽく振る舞い続けます。一方で、三芳に対しては否応無しに自らの女性性を意識せざるを得ないわけで、三芳に近付くほど「嫌いだった母のようになってしまうかもしれないという恐怖」に怯えます。この「心と身体の乖離」はTSものの定番モチーフでありながら、同時に普遍的なテーマでもありますね。それに対する、我らがイケメン三芳の回答は明確です。ぜひ読んで悶えましょう。三芳最高! 抱いて!

間宮は可愛くてカッコいいし三芳は可愛くてカッコいいので最高のマンガです。

http://www.hakusensha.co.jp/lala/kanojoni/

ちなみに僕は大変残念なことに少女マンガの楽しみ方がさっぱり理解できていない人間なのですが、斎藤けんさんの「かわいいひと」もとても楽しんで読ませていただいており、どちらもAneLaLa連載なので、もしかすると僕はAneLaLaの読者ターゲットにばっちりハマっているのかもしれません。購読した方がいいのでしょうか。

http://www.hakusensha.co.jp/lala/mag_anelala/now.html