Joris Voorn『Nobody Knows』がアンビエント色強めの泣きメロ満載ですごく良い

オランダのテクノ/テックハウスアーティスト Joris Voorn のニューアルバム『Nobody Knows』。前作『From A Deep Place』から7年ぶり。

Joris といえば、2003年から2004年にかけて Technasia のレーベル <Sino> からリリースしたEP「Lost Memories Pt. 1」「Lost Memories Pt. 2」……特に2の方に収録された「Incident」(The Reese Project「The Colour Of Love (UR Mix)」の大ネタをサンプリング)がヒットして一気にスターダムに駆け上ったアーティストです。もう10年近く経つんですね。2枚ともアナログ買いましたよ当時。

Incident を含むファーストアルバム『Future History』まではデトロイトっぽさがあった一方、その後はディスコやテックハウスの方向に流れ、セカンドアルバム『From A Deep Place』はその辺りの流れを融合した感じではありつつも、どちらかというとDJ活動の方が多くなっていた中でのサードアルバム。昨年リリースされたメランコリック・テックハウス「Ringo」を含む、極めてエモーショナルでアンビエント色の強い作品に仕上がっています。

1曲目「The Monk」からもう素晴らしい出来の叙情的なアンビエント。そのまま Kid A が歌う「A House」、Matthew Dear をフィーチャーした「Homeland」へ。いずれもビートは控えめで、テックハウスというよりアンビエント・ポップとでも呼んだ方が良いでしょう。その後もアンビエントと控えめなテックハウスが入り交じりつつ、クラシック畑の実父 Joop Voorn との競作でめちゃくちゃ泣けるメロディーの傑作「Momo」を経て、ラストは Bram Stadhouders と一緒にバンドっぽい曲で〆。

この人の書くメロディーやコード進行は、どうにも日本人の琴線に触れるものがありますね。1枚を通して統一感のある、コンセプチュアルで優れたエレクトロニック・アルバムです。

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https://itunes.apple.com/jp/album/nobody-knows/id934922206?uo=4&at=10lc52