西炯子『姉の結婚』は、うまくいかなくて自爆するアラフォー女性かわいいマンガである

そんなことより温泉行きたい。

姉の結婚 (1) (フラワーコミックスアルファ) | 西 炯子 |本 | 通販 | Amazon

『娚の一生』がヒットした西炯子さんの最新作『姉の結婚』。また枯れてる話か!

アラフォー女性の主人公(地味)が地元に帰ってきて「静かで穏やかなプチ老後を」とか言ってたらイケメン(妻子持ち)につかまって夜をともにしちゃって、実はそいつが中学のときの同級生(当時は太ってていじめられっ子)でそれ以降ストーキングされまくるお話です。ひどいまとめ方だ。だいたいあってる。

中学時代の、なんてことないエピソードから男の方はずっと好きで、それは女にとって「やっちまった」的負債としてついてまわります。「静かにプチ老後を暮らすんだ」「よしんばもう愛されるのもごめんだわ」と、女は迷惑がります。「あなたはほどほどの愛しかしらない」と男は言います。それは事実か、的外れか。

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で、2巻です。拒絶に意味はない(あるいは、拒絶は意識している証拠である)と気付いた女は、「なりたい自分」になる=自らを着飾って金銭を要求し愛人として男を振り回す、というプレイを敢行する、ことで男にダメージを与える(あるいは、自分の感情を防衛する)、という手に出ます。あかんそれ自爆やー。双方うまくいかねー感が漂う温泉不倫旅行ヤバい。

ふたりとも良い大人なので、殻を作ります。女はもちろん、男の方も欲望に忠実に見えてかなり計算づくで殻を作りながらコミュニケーションを重ねている印象です。そもそもいじめられっ子が恩師に「痛みを知っているから医者になれ」と言われて精神科医になったわけで以下略。それに対して女は以下略。でもうまくいかない。うまくいかないんだよ!

うまくいかなくて自爆するアラフォー女性かわいい。僕にとっては、そういうマンガです。なのでうまくいかないまま終わると良いと思う。ダメですかそうですか。

http://p.booklog.jp/book/30037