From The Inside

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2018年の良かった音楽

聴いていますか? 今年の良かった音楽です。リリース順。

Best Albums

Tom Misch - Geography

天才トム・ミッシュのデビューアルバム。2018年で1枚選んで人に勧めろと言われたら間違いなくこれを挙げる。ジャズ、ヒップホップ、ソウル、R&B を横断しながら、ポップミュージックとして凄まじい完成度を誇る。2曲目 "Lost In Paris" は既にクラシック。デ・ラ・ソウル参加の6曲目 "It Runs Through Me" や、ストリングスがエモい9曲目 "Man Like You" も素晴らしい。


Steve Bug & Langenberg - Paradise Sold

テクノ職人スティーブ・バグの新作はランゲンベルクとのコラボ。ダビーなディープハウスで大変、今っぽいサウンド……というか、時代がスティーブ・バグに追いついたと言うべきか。2曲目 "NGC 6240" が良き。


Mabuta - Welcome to This World

シェーン・クーパー率いる南アフリカ・ジャズの最先端。エレクトロニックとアフロジャズが融合した電脳世界はまるで宇宙空間。ジャケのヤバさも相まって、1曲目 "Welcome to This World" から、これが……世界……みたいな気分になること請け合い。ロンドンの最強サックス奏者、シャバカ・ハッチングス参加による3曲目 "Fences" なんて、なんだこのSF感は!という衝撃。8曲目 "The Tunnel" は、このベースがすごい2018大賞受賞くらいは言ってよい。


GONNO × MASUMURA - In Circles

ハウス/テクノDJ Gonno と、元「森は生きている」ドラマーの増村和彦による、エレクトロニックとドラムのコラボレーション。テクノ&アフロビートといった趣で、5拍子ミニマルとか、デトロイトっぽいシンセに激しいドラムが絡んだりとか、とにかくリズムが好きなお方にはたまらない一品。1曲目 "Circuit" と、5曲目 "Wirbel Bewegung" が好き。

DJ Koze - Knock Knock

Pampa のボス、DJコーツェはもうここ数年ずっと他の追随を許さないエレクトロニック・ミュージックおばけのような活躍をし続けてきているわけで、5年ぶりのアルバムとなったこちらも音楽性の幅の広さに舌を巻く。テクノとかハウスとかのジャンルを完全に超越してしまったソウルフルなアルバム。3曲目 "Moving in a liquid" や、ロイシン・マーフィーがボーカル参加した7曲目 "Illumination"、もろディスコ!な8曲目 "Pick Up" などが個人的に好み。とはいえやっぱりベストは先行シングルの15曲目 "Seeing Aliens" でしょう。かっこよすぎる。


Detroit Swindle - High Life

オランダのソウルフルなハウスデュオ、デトロイト・スウィンドルのセカンドアルバム。ここ数年のクオリティの高さには眼を見張るものがあったが、本作はさらに洗練さが増した。2曲目 "High Life" のうねるベースラインとスペイシーなシンセの調べはまさにデトロイト。トム・ミッシュ参加の4曲目 "Yes, No, Maybe" も良い。そしてセヴン・デイヴィス・ジュニアのボーカルが光る先行シングル6曲目 "Flavorism" である。


細野晴臣 - 万引き家族「オリジナル・サウンドトラック」

今年最も素晴らしかった映画、是枝監督『万引き家族』。カンヌ、パルムドールおめでとう! ということで、この映画の素晴らしさの半分くらいは細野晴臣の劇伴にあると思っており、サントラも大変良い。ラストのスタッフロールでも使われた3曲目 "Living Sketch" が特に良く、美しいピアノの調べに少しずつ混じり合うギターノイズが、まさにこの『万引き家族』という映画そのものを象徴している。


R+R=NOW - Collagically Speaking

ロバート・グラスパー、テラス・マーティン、クリスチャン・スコット、デリック・ホッジ、ジャスティン・タイソン、テイラー・マクファーリン。現代ジャズ最高峰。全編にわたって音が心地よく、各プレイヤーの壮絶なうまさも相まって素晴らしい。特に1曲目 "Change Of Tone" と、2曲目 "Awake To You" が良い。


電気グルーヴ - クラーケン鷹

3月に開催されたライブツアー「クラーケン鷹」は、電気グルーヴ史上最高のライブだったと胸を張って言える。配信版(白ジャケ)ではそのライブテイクをそのままに、後日発売されたCD単体(黄ジャケ)及びライブBD/DVD同梱CDではライン出力を録音して歓声などのないスタジオアルバムっぽさを出したエディションと二度美味しい。4曲目 "いちご娘はひとりっ子" や、7曲目 "Slow Motion" が白眉。15曲目 "Upside Down" 〜 16曲目 "モノノケダンス" 〜 17曲目 "MAN HUMAN" のアニソン繋ぎ(空中ブランコ、墓場鬼太郎、デビルマン cry baby)も最高。19曲目 "柿の木坂" 以降は吉田サトシのギターが加わりマニュエル・ゲッチングかと見紛うようなトランス曼荼羅に。


ミソシタ - ミソシタ

ポエムコアの創始者BOOLがバーチャルYouTuberシーンと接触して生まれた奇跡の顕現。存在そのものがエモーショナル。地下二階からの強烈なメッセージは2018年を象徴する1枚と言っても過言ではない。1曲目 "ミッドナイト・ファイティングブリーフ" はもちろん、world's end girlfriend 参加の3曲目 "地下二階のレジスタンス" の「テクノロジーで全て覆す」、10曲目 "革命前夜" の「リアルじゃないがフェイクでもない」というフレーズに魂が震える。


Maisha - There Is A Place

サウス・ロンドン発、ドラマーのジェイク・ロングやサックス奏者ヌビア・ガルシアらによるUKジャズ最前線。アフロビートを取り込んだスピリチュアル・ジャズ。ベタに言うならば、US側のロバート・グラスパーやカマシ・ワシントンを経てUK側からお出しされたのがこちらです、という感じか。1曲目 "Osiris" の途中の間奏のアフロビートが最高。


ずっと真夜中でいいのに。- 正しい偽りからの起床

6月4日にYouTubeに投下された「秒針を噛む」MV(1000万再生突破)から始まった、ボカロ時代を経た最新型ジャパニーズ・ポップス。ボカロP「ぬゆり」が参加し、極めて今っぽいサウンドが展開されており、特に若い人から、ボカロ時代を経由してきた世代までにバッチリ当たると思う。とにかく1曲目 "秒針を噛む" のイントロのピアノから始まってボーカルのACAねの歌声が入ってきた瞬間ですべての勝負が決して完全敗北ですとなる。


John Tejada - Live Rytm Trax

ベテランテクノアーティスト、ジョン・テハダは今年2月には Kompakt からもアルバムをリリースしているが、11月には自らの Palette からライブ用に機材を絞ってシンプルに作られたと思しきこちらも登場。きれいで、シンプルで、カッコいいテックハウス。キック、スネア、ハット、シンセ、ベース。必要なものはすべてある。1曲目 "Subsumed" と、6曲目 "Reminisce" が、特に彼らしいサウンドで良い。

Best Singles

Vince Watson / Dakota - Another Rendezvous / Make It Better

ヴィンス・ワトソン先生は今年も良かったですね……。出す曲出す曲良いのどうなってるのか。

Slowglide - Reigi/Haipa

エレクトロに乗せて「ありがとうございます」というボイスサンプルがひたすら続く礼儀正しいトラック。フランスの〈Antinote〉から。

DA PUMP - U.S.A.

最高。


Sunareht - Sagas EP

ビートレスの高速エレクトロニカ、というかなんというか。シンセの音の束が直接こちらに突き進んでくるようなサウンド。2曲目 "Super Suna Odyssey" が特に素晴らしい。


Kizuna AI - Hello, Morning

Nor による多幸感溢れるサウンドで展開、キズナアイ本人が歌詞を手がけたファーストトラックにして、すべてのバーチャルYouTuberにとってのアンセム。


Aphex Twin - Collapse EP

エイフェックス・ツインの新作はすごいエイフェックスっぽい!エイフェックスっぽい!というアレ。MVがキモくて良い。


Jimpster - Curve

UKテックハウスのドンによる珠玉のディープハウス。マニュエル・ゲッチングの E2-E4 みのある音が入ってきてからが本番。

Kizuna AI - future base

キズナアイの年末9週連続リリース第1弾。Yunomi によるバリッバリのフューチャーベース。キズナアイ本人による歌詞のエモさに僕は泣く。


米津玄師 - Flamingo

ボカロPのハチが米津玄師としてドラマ「アンナチュラル」主題歌 Lemon(YouTube MV 2.4億再生)でついに日本の音楽シーンの頂点に立ってしまった2018年、その国民的大ヒットの後にお出ししてきたのがこれという衝撃。ジャパニーズ・ファンクの最新型。


Victor Ruiz & Thomas Shumacher - Apollo II

今年のテクノ大賞。こういうストレートな太いキックが鳴り響くとそれだけでわぁいってなってしまう人生をもう20年ほど続けています。


Tycho - Jetty

ティコはきれいなアンビエントっぽい音と四つ打ちを組み合わせたら天下一品だよなという思いを再確認した。