つくしあきひと『メイドインアビス』がハードでヘビーな穴もぐりマンガだったので今さらながら絶賛する

今日も今日とて面白いマンガはないかなーと探していたところ「んなぁー」って言ってる可愛いケモノを見かけたので買いました。

ということで先日3巻が発売された『メイドインアビス』です。

ケモノヤッター!と1巻から読み始めましたがこのケモノことナナチが登場するのは3巻からでした。が、そこに至るまでもめちゃくちゃ面白かったです。

本作はWebコミックサイト「まんがライフWIN/WEBコミックガンマ」で連載されている穴もぐりマンガです。

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地中奥深く伸びている縦穴の秘境「アビス」と、そのアビスを探検する「探窟家」と呼ばれる人たち。主人公・リコは、伝説の探窟家を母に持ち、自らも探窟家見習いとして訓練に励む。ある日、アビスの中で記憶喪失の謎のロボット・レグと出会い、また10年ぶりにアビスの底から届いた母の伝言を得て、母のいる場所=アビスの深層へとレグとともに旅立つ。というようなお話です。

アビスや探窟家、リコの母の存在、レグの謎など、細かな世界設定と大量の謎が緻密に配置されつつ、可愛らしい絵柄に似合わぬヘビーな展開でアビス探窟の恐るべき困難さを描きます。1巻はまるまるアビス深層の旅へと挑むところまでなのでまだいいのですが、2巻で登場する母の旧友・オーゼンが怖すぎて怖いです。怖い。

まあまだオーゼンはいい。怖いけど。2巻ではリコの母とオーゼンのエピソードで〆。冒険ものマンガっぽくてこの辺りまではまだ爽やかです。すごく良い。オーゼン怖いけど。

問題は3巻。

少しずつアビスの下層へと進む2人ですが、この縦穴アビスに存在する「アビスの呪い」と呼ばれる現象が行く手を阻みます。急激な上昇でさまざまな影響が人体に発生するこの「アビスの呪い」、階層が浅いうちは「吐き気がする」程度ですが、徐々に「幻覚と幻聴」「激痛と体中からの出血」「意識混濁と自傷行為」「人間性の喪失または死」とヘビーになっていきます。3巻はこの「アビスの呪い」と、可愛いケモノのナナチのお話が展開されます。ケモノヤッターとか言ってたらすごいヘビーなの。困っちゃうわ。

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凶悪な生物に教われ、リコが毒の針に刺され、アビスの呪いを受ける覚悟で上昇して逃げるレグ。体中から血が噴き出し、毒にされた手は異常に膨らみ、リコは朦朧とするなかで「腕を切り落として」と懇願します。切りやすいように腕を折り、少しずつ切り落とそうとするレグ。辛い。痛い。なにこんなかわいい絵でそんなことしてるの……というところでケモノことナナチが颯爽と登場して助けてくれますナナチかわいいヤッター。レグに感謝されて「んなぁー」って照れるナナチかわいい。

でもこの後のナナチのエピソードがぶっちぎりで一番エグいの。困っちゃうね。

いわゆる冒険ものとして一級品のストーリー展開を見せつつ、散りばめられた世界の謎を少しずつ明かし、かつハードでヘビーな描写でエログロ感までばっちりという、極めて業の深い作品に仕上がっています。度し難い!

各所ですでに誉められまくってるメイドインアビスを今さら推薦してみました。こんな面白いマンガあるって早く教えてほしかった。読みましょう。

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