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From The Inside

Ubique Media Daemon

暗殺教室すごすぎる(本誌第128話ネタバレ)

すごい。すごい。すごい。すごすぎる。

僕は暗殺教室というマンガがすごく好きで、若い子から見たらいわゆる学園ものとして読めると思うけど、大人目線から見ると教師ものとしてよくできていて、教師として若い子に何かを伝えていくという部分の話がグッときます。くるのですが、正直ここ最近の話はぬるいなーと思っていました。死神とか、理事長とか。

騙された。

このマンガでは「暗殺」について何度も語っています。相手を油断させる。殺気を見せない。弱そうな自分を見せる。仕留めるその瞬間まで刃は見せない。……これらの話は、すべて主人公である潮田渚に与えられた才能であると思っていました。

2015年2月23日に発売された週刊少年ジャンプ、第128話で行われたことは、まさにこの「暗殺」そのものでした。実に127のエピソードを積み重ねて、巧妙に伏線を張りながらその刃を隠蔽し、誰もが渚を、イトナを、シロを、死神を、理事長を見るように仕向けてきたわけです。

もちろん、彼女が怪しいという話は、ないわけではありませんでした。渚や業と並んでメインキャラのように扱われながら、あまりに内面が描写されず、まともな個人フォーカス回もなく、第1話で「殺せんせー」という名前を名付けた以外はたいした活躍も無く、でも自然に渚の隣にいつもいて、業のことや正義の名前のことや文化祭のことを知らず(=つまり最近E組に来た……どころか転校してきた?)……。でも、第80話で唐突に個人フォーカス回が来て、毒にも薬にもならない(でも面白い)話で、これで完璧に視界から外れていました。やられた。本当にやられた。

読み返してみれば伏線まみれ。そのものずばりのような絵が描かれている部分もいくつか。視界に入れているはずなのに、ミスリードのような毒にも薬にもならない個人回と、ネウロの作者にしてはぬるい展開が続いた故の「暗殺教室はこういう感じでいくんだな」という読者側のゆるみ、それらすべてが仕込みとして機能して、メタ的な伏線として、意識を外すことに成功しています。ネット上では彼女が怪しい説は存在しましたが、まさかここまでと想像できた人は少ないでしょう。「伏線とはこう張るものだ」というお手本を見せられた気分です。

これだけ大衆受けするマンガに仕上げて、ヒットさせることに成功して、それ故に100話以上の展開をすべてこの瞬間の仕込みに活用できるという贅沢さ。しかもアニメが始まったタイミングでこの展開。

第128話のラスト10ページは見事の一言。渚のモノローグはいつの間にか彼女のモノローグにすり替わり、すべての伏線が回収されて、素晴らしい見開きで刃が姿を現す。マンガ表現として完璧に近いと思います。ラストのページの彼女の姿は、あまりにも美しい。

こういう瞬間があるから、マンガを読むのはやめられません。