最近のいろいろです。
■ 若松孝二『千年の愉楽』
昨年、交通事故で亡くなられた若松孝二監督の遺作。飲み屋でのケンカ仲間だったという中上健次の同名小説を映画化した本作は、紀州の“路地”に住む高貴で穢れた「中本の一統」の血を受け継ぐ男たちの人生を、路地の産婆「オリュウノオバ」が見つめるという物語です。
とにかくオバ役の寺島しのぶと半蔵役の高良健吾が素晴らしく、三好役の高岡蒼佑や達男役の染谷将太(大好きです)もすごく存在感があって、全体的にスクリーンから濃密な世界がぷんぷんとにおってくる強烈なフィルムに仕上がっていました。
路地の濃密な生にヤられる極上の2時間。中本の男は皆、あまりにも魅力的すぎて、男の僕が見ていてもクラクラきます。最高です。激しく生きてあっという間に散る姿は美しい。
初日の舞台挨拶回だったので、観客に女性が多かったのが印象的でした。若松監督、ありがとうございました。
若松孝二最期の映画『千年の愉楽』の衝撃 - エキサイトニュース
千年の愉楽:若松孝二監督の遺作 出演した井浦新と高良健吾が語る - MANTANWEB(まんたんウェブ)
■ 電気グルーヴ『ツアーパンダ2013』
客が3人とか瀧が死んだとかばかり流れていてアレなのでちゃんと内容も書こうという気持ちです。
行ったのは東京2日目。ツアーを見るのは「ツアーツアー」「叫び始まり爆発終わり」に続いて3度目、電気のライブ自体は昨年のWIRE12以来でした。agraphのオペレーションで音が始まると、点滴を打っている卓球を乗せた台車が瀧に押されて登場して大爆笑。クランケ代表! ステージ上に置かれた卓球と瀧を模したローポリゴンの“巨顔”にプロジェクション・マッピングを使うというとんでもないステージ演出で、でも2人は「くだらないことをしゃべりにきてるんだもん! くだらないことしゃべっておうたをうたったらお金もらえるんでしょ!?」である。MCで終止爆笑。最高。
電気グルーヴのツアーに映像とシステムで参加してます。4m×3mの巨大ローボリゴンの顔模型を2体作り、そこにマッピング投影をしています。インタラクティブな仕掛けも行っています。いよいよ本日ツアー最終の東京です!
— aircord (@aircord) 2013年3月13日
内容は新アルバムを中心にしつつ、超意外なことに「アルペジ夫とオシ礼太」がめちゃくちゃカッコ良いアレンジで披露されたり、なぜか「HI-SCORE」と「モンキーに警告」という懐かしい曲をやったりでありました。新曲だと「Slow Motion」「Prof. Radio」「Oyster」がやっぱりライブで映える映える(Oysterの「シャーロック・ホームズ」のところで卓球がやってたのは古畑任三郎だと思う。くだらなすぎて笑った)。「Upside Down」はかなり盛り上がりました(卓球が「行き違いなりのテリトリー」の歌詞のところで頭をクルクルパーってしてたのは見逃さなかった!)。久しぶりの「あすなろサンシャイン」から「レアクティオーン」の流れはグッと来ました(ツアーツアー以来の「東京、お台場、アムステルダム」が出て泣きかける)。あとVJ担当Devicegirlsの和田さん、Kagami Tシャツ着てた! ナイス! 電気2人の顔パネルにパンダと魚が顔出してるけど魚の背が届いてないっていう映像ネタが一番笑いました。次点で「私は牡蠣になりたい」。
いやー笑った笑った。次はStar Fes.ですね!
電気グルーヴ@Zepp DiverCity Tokyo 2013.03.13 邦楽ライブレポート|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)
■ 押切蓮介『ミスミソウ 完全版』
いいから黙って買って読め。
備考
上下巻とも描き下ろしが収録されているので、読んだことある人も当然のごとく買うべき。僕は上巻の描き下ろしで泣きました。ハイスコアガールで押切を知ったすべての人に。