10位からいきます。
10位
▽ John Tejada / The Function And The Form [Kompakt]
アメリカのテックハウスの重鎮 John Tejada がケルンの Kompakt からリリースしたアルバム『The Predicting Machine』より。かなり多様な曲調で攻めるアルバム内でも、特に異色のドリーミン・エレクトロ。イントロのシンセの音だけでノックアウトされます。
9位
▽ Technasia / Heart Of Flesh [Cadenza]
Charles Siegling によるソロ・プロジェクトとなった Technasia が、なんと Luciano のレーベル Cadenza からリリースした1枚。とても Luciano 的な、とても今っぽいボイス・サンプル使いまくりのファンキー・テックハウス。
8位
▽ Tim Deluxe / Tranceformation (DJ Hell Remix) [Gigolo]
Tim Deluxe の2011年リリースの話題作「Tranceformation」を、ミュンヘンのジゴロこと DJ Hell が自らリミックスして Gigolo のコンピの1曲目に持ってくるという惚れ込みっぷり。原曲の良さを活かしつつ渋みを増したテイストに仕上がっていてグッド。ブレイク明けの多幸感は今年のトップクラス。
https://itunes.apple.com/jp/album/gigolo-music-ltd-13/id531298394?uo=4&at=10lc52
▽ BeatportでのInternational DeeJay Gigolo RecordsからのCD Thirteen
7位
▽ Beatblocks / Waterfall (Dazzle Drums Remix) [UNKNOWN season]
100% Made in Japan のレーベル UNKNOWN season から、ハウスユニットの Beatblocks のトラックを、同じくハウスユニットの Dazzle Drums がリミックスしたら、トランシーなテックハウスに仕上がってしまったというすごい1曲。走るビートとパーカッションに、深海をうねるベースと、上空を疾走するシンセが完璧にマッチしています。
6位
▽ Marcel Fengler / Mosaique [Ostgut Ton]
ベルリンの最重要クラブ Berghain の元クローク係、現レジデントDJである Marcel Fengler が Ostgut Ton からリリースした『Frantic EP』より。Berghain 直球のミニマルトラックに凶悪なバランスで被せられた繊細なメロディが光る狂った1曲。脳髄をかき回されるような体験がしたければこれを聞くと良いです。
5位
▽ Octave One / New Life (Different World Remix) [430 West]
デトロイト・テクノの重鎮 Octave One の久々の新曲「New Life」が出て素晴らしいなと思っていたら、追ってリリースされたリミックス盤がさらにすごかったという逸品。Claude Young と Takasi Nakajima によるユニット Different World による本リミックスは、原曲の良さをそのままに、デトロイト成分を200%増しにしたようなストレートなトラックに仕上がっています。
https://itunes.apple.com/jp/album/new-life-remixes-ep/id584465749?uo=4&at=10lc52
4位
▽ Moritz Von Oswald Trio / Club [Honest Jon's]
この iTunes Store の視聴では何がなんだか分からないと思うので、まあこことかここに行って聴いてくれ。Moritz Von Oswald + Max Loderbauer + Vladislav Delay という化け物3人からなるベルリン・アンダーグラウンドのスーパーグループ、ミニマル・ダブ音響ユニット Moritz Von Oswald Trio の最新アルバム『Fetch』から、最もテクノっぽい1曲。これはテクノであり、ダブであり、ミニマルであり、同時に極めて即興性の高いジャズやフュージョンでもある……すなわち、どう転んでも現代の最高峰の1つであるということです。お酒を飲んで聴くと新世界が見えてきます。マジで。
3位
▽ Laurent Garnier / Jacques In The Box (feat. The L.B.S. Crew) [Ed Banger]
フランスのレジェンド Laurent Garnier が、なんとフレンチ・エレクトロのレーベル Ed Banger から曲を出しちゃうっていうんだから世の中なにが起きるか分からない。というわけで話題性たっぷりだった『Timeless EP』から、聴いてみればなんだ Garnier 流ド直球テクノじゃん!という最高の1曲。裏面の「Our Futur」というタイトルも含めて、未来への希望にあふれた力強いトラックです。こんなにもクソッタレな世界にこそ、お似合いだと思いませんか!
https://itunes.apple.com/jp/album/timeless-feat.-l.b.s.-crew/id510949058?uo=4&at=10lc52
2位
▽ Gary Beck / Before The Crash [Soma]
今年は完全に、完璧にこの男の年だったと言っていいんじゃないでしょうか。出す曲すべてが最高だったグラスゴーの伊達男 Gary Beck、最新アルバム『Bring A Friend』(なんと Soma の100枚目!)の先行EPでもあったこの曲は特に素晴らしかった。圧倒的な音圧でぐいぐい攻めながら、間の抜けたウワモノでブレイクを作り出す、なんとも不思議な魅力を持ったハード・ファンキー・テクノの最新型! ハードな音の復権を担う1人として、来年以降も最注目アーティストであることは間違いなさそうです。
1位
▽ Michael Mayer / Good Times (feat. Jeppe Kjellberg) [Kompakt]
圧巻。世界で最も重要なエレクトロニック・ミュージック・レーベルであるケルンの Kompakt から、総帥 Michael Mayer が久々にリリースしたアルバム『Mantasy』のラストを飾る、シカゴ・ハウス meets ジャーマン・テクノとでも言うべき極上のボーカル・テックハウス。古いようで新しいようでもあり、ファニーであると同時にシリアスで、ポップでメロディックだけど無骨でハードな、まさに Kompakt の音としか形容しようのない、唯一無二のサウンドに仕上がっています。歌詞やPVも実に秀逸で、アルバム全体としても非常にハイレベルです。さすが!
2012 Best Gigs
5位:大友良英 one day ensembles / INVISIBLE BORDERS @ 東京国立近代美術館 "14の夕べ" 2012.09.02
リニューアル途中の東京国立近代美術館を会場に使ってしまおうという狂ったイベントの中の1つ。大友先生を中心とした、さまざまな楽器を持った皆様が、そこかしこから突然現れては演奏しながら練り歩いて勝手にセッションを始めたりまた離れたり……という摩訶不思議な体験を提供してくれました。音に耳を傾けながらミュージアムショップで大友さんの「プロジェクトFUKUSHIMA!」の本をめくっていたら、後ろに大友先生が立っていて、その場でオルゴールを購入して外で演奏し始めたのは良い思い出。
4位:Laurent Garnier / DJ @ joule Osaka "Our Futur Tour 2012" 2012.02.05
DJとしても実に幅広いプレイをしてくれる Garnier 先生。深夜営業ができなくなった大阪の超有名クラブ joule でのプレイは、鬱憤を爆発させてくれるような大盛り上がりでした。ツアーのタイトルは「Our Futur Tour」。このクソッタレな状況で、それでも未来を信じていこうと、そう思えるパーティーでした。すごく良かった。本当に。Man With The Red Face!
▽ THE STAR FESTIVAL presents Laurent Garnier - joule 大阪 / / ジュール
3位:Dusty Kid / Live @ 横浜アリーナ "WIRE12" 2012.08.25
今年のWIREも全体的に素晴らしかったんだけど(Ken Ishii とか Gary Beck とか)、特にヤバかったのが Dusty Kid のライブセットでした。正直いままでナメていたので謝らないといけない気がします。愉快でハードな、多幸感にあふれたライブでした。あんなにニコニコしながら踊れるなんて!
2位:Ben Klock / DJ @ CIRCUS Osaka "Ben Klock Japan Tour 2012" 2012.06.17
ベルリンの Berghain でレジデントを務める「テクノ・マシーン」がついに来日。もう感動ですよ。なんだよこれ。これがテクノだ!というしかない、硬くてハードでタフなDJを披露してくれました。ありがとうありがとう。すごくカッコ良くて、実はトイレですれ違ってミーハー気分で声をかけようかと思ったけどチキンなので声をかけられませんでした。
▽ BEN KLOCK JAPAN TOUR 2012 [2012-06-17 (Sun)] | clubberia クラベリア
1位:Manuel Göttsching / E3-E11 Live @ 幕張メッセ "FREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012" 2012.08.11
FREEDOMMUNE、全体的に本当に素晴らしかったんだけど(タコとか大林監督とか)、とにかくラスト、明け方の Manuel Göttsching はもう完全に神様でした。泣いたもん。ずっと鳥肌立ちっぱなし。ゆるやかだけどエネルギーに満ちたビートと、美しいギターの音色に昇天。いやーいいもん見た。