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From The Inside

Ubique Media Daemon

凶暴な正気、発狂したタイムテーブル、非日常の目眩、そして「E2-E4」——『FREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012』レポート

music media society art movie

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FREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012 - 2012年8月11日幕張メッセにて奇跡の再起!!!!!!!!!!!!!

目眩がする。未だに夢だったのではないかと。

19時ごろに会場入り。場内をぶらりと散策。まだ人もまばら。けっこう大胆なフロア作りながら、ステージごとの音が混じっていないのは好印象。隠し部屋のように存在する小さなフロア<FLOOR DOPENESS>で早くも飛ばしているHiroshi Watanabeに圧倒されつつ、ライブステージ<MAKUHARI BUDOHKAN>へ。タコ!!!

ステージ上で繰り広げられる寸劇。やがて叫ばれる言葉。「タコを呼んでください!」「タコを呼んでください!!!」うわああああああ、山崎春美だ、本物だよ! ソリッドなドラムに合わせて、山崎が叫び、ロリータ順子役の鎖帷子レイコが歌う。そして順次登場する佐藤薫とJOJO広重! 完璧すぎました。初っぱなからコレで俄然テンションが上がる。

そう、MAKUHARI BUDOHKANは舞台セットも素晴らしかった。上部が4面巨大スクリーンになっていて、山崎やレイコがアップで映し出される。カッコいい。

会場をぶらついて、もんじゅ君の写真を撮ったり、意外な旧友と落ち合って「老けたな」とか5回くらい言われたりしつつ(絶対に許さない)、キング・オブ・ノイズこと非常階段へ。強烈。音で人が殺せるんじゃないかと。しかも気付けばステージ上にもんじゅ君が。もんじゅ君パンクすぎる……。同時間帯のTowa Teiと行ったり来たりする。楽しい。

この辺りですでに「ヤバい」しか言ってない。あと@techno_1topiは僕がやってるテクノ・ミュージック情報のTwitterアカウントなんだけどタコとか非常階段のpostしてて完全にただの迷惑だと思った。

このあと、本来であればどう考えてもLogic Systemに突っ込むところなのだが、完全スルーを悔しく思いながらトークブース<TALKING DOME>へ。夏目漱石の脳と人形が置かれていて、右からやくしまるえつこの声で、左から夏目漱石の声(頭蓋骨から推測し合成した声)で朗読が行われているというぶっ飛んだギャラリーを横目に、ステージ上では奥泉光のフルート演奏にあわせ、いとうせいこうが夏目漱石の『草枕』をパンク風に朗読していた。なにこの空間こわい。

そして本日の目玉その1「この空の花を語る 第三章」。先日のエントリーでもいかに素晴らしいか書いたけれど『この空の花』は今のところ2012年に見た映画の中で文句なしのトップということもあり、このトークも楽しみにしていました。だって何しろ、大林宣彦監督に、この映画を過剰なまでに愛する最強の黒幕コラムニスト中森明夫と最強の美術評論家 椹木野衣、そして「元木花」役で素晴らしい演技&一輪車を披露してくれた猪股南!(Tweetで誤字陳謝!)

息が止まるかと思った。舞台前で待ってたら久石譲のあのBGMが流れ始めて、場内がざわついたから何だろうと右の方を向いたら、まさに目の前で、ステージ上ではなく同じ床の上で、“元木花”が一輪車に乗ってくるくると回っているではないか! 一輪車の世界大会優勝者である彼女の怖いくらいに美しい演技で完全にノックアウト。そしてステージ上に現れる大林監督!!!!!!

大林監督にかかれば、この壮絶なメンツも「椹木ちゃん」「中森ちゃん」扱い。ゆっくりと、優しい語り口で映画のこと、戦争のこと、花火のこと、そして猪股南のことを語る大林監督は、まさに現代の賢人と呼ぶに相応しい佇まいでした。この日、最もRockしていた1人でもありますね。特に印象的だったのが、大林監督の語る「凶暴な正気」というフレーズ。「凶暴な狂気に対して、平和を実現するのは優しさではない。それじゃあ飲み込まれてしまう。凶暴な正気が必要なんだ」というセリフは、まさに『この空の花』という映画そのものであり、大林監督の存在そのものでありました。

トーク終了後、急いで<EXTREAM ZERO>ヘ。メルツバウ! 最後の少しだけ見ることができました。轟音。レーザー。壮絶。なにこれ本当にこの世のものなの?みたいな感じ。ノイズという言葉で括るのすら烏滸がましい、日本が世界に誇る「音の塊」を体験させていただきました。

完全に夢うつつ状態で再びトークブースへ。人が多い。デヴィ夫人! これは現実の出来事なのか……さっきまでメルツバウ聴いてたのにデヴィ夫人がいる……。

軽く眺めたあとは、不失者=灰野敬二とKen Ishiiを交互に見る。

少し後で宇川さんも「配信されてる画面を見て寒気がした。灰野さんが映ってる下にデヴィ夫人がいるんだよ? 別のとこではKen Ishiiがプレイしててさ。発狂してるよね、このタイムテーブル」と言っていたが、まさにその通り。イベントそのものが、発狂してる。

さらにタワレコ社長と宇川の「TOWER RECORDOMMUNE SHIBUYA」発表会見へ。「裏番組をもプロデュースすることになっちゃった」「CDというパッケージのアウラを」「メルツバウは一点もので車付きCDを売った。確実に事故ってるよね。タワレコも車を売れば良い!」うける。

TOWER RECORDOMMUNE SHIBUYA | タワーレコードミューン シブヤって何だった?

ものすごい混み方をしている小室哲哉を遠くから眺めて「おーGet Wildだー」と思いながらDVS1で踊る。BPM速い。ご飯食べて友人とダベりながら休憩した後、Nobuちゃんへ。激Dope!!!

3:30。場内でもだいぶ落ちてる人が増えてきた。で、トークブースである。「TALKING ABOUT 風営法!第二章〜『踊ってはいけない国、日本』完成記念鼎談」、宮台真司&松沢呉一&磯部涼!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

今回はクラブ問題そのものより、その前提となる、性風俗産業と風営法のこれまでの流れがメイン。宮台センセと呉一さん、得意分野だからしゃべるしゃべる。特に、久々にご尊顔を拝見した宮台センセの荒ぶり方といったら!「国は江戸時代から芝居と性を規制し、それぞれひとつの場所にまとめた。共通点が分かりますか?『目眩』です」「社会にはシワがある。シワを伸ばせば、別のところにシワが寄る。いいですか、社会からシワを失くすことは、できません。シワを見えなくすればそれでいいのか。見えない場所にシワが寄って、それで良いのか。それは、無責任です」「夜に若者が居られる場所は無くなった」「寛容さが無い」「なんて、貧しい社会なんでしょう、ね!」「非常階段はね、京都でライブやってたときは、ステージ上で、うんこしたりするんですよ! 火をつけたりね! ところがこれがクワトロでのライブになると、火をつける、フリ。残念ですよね。いや、仕方ないじゃないか、火事になったらどうするんだー。それでも僕は残念です。僕はダメな人間なのでしょうか?」

目眩がした。というより、もうずっと、10時間弱、目眩がし続けている。そう、目眩だ。目眩が、発狂が、凶暴な正気が認められる社会を。

そうして最後のステージ。マニュエル・ゲッチングだ。

ベルリンからこの日のために、神様がやって来た。テクノ、ハウス、アンビエントの誕生を“予言”した伝説の名作「E2-E4」が、生で演奏されている。ラップトップから放たれるリズムマシンのビートとシンセの電子音に合わせて、ゲッチングがギターを弾く。上空の4面スクリーンには、幾何学模様が上昇していく様子が映し出される。めちゃくちゃカッコいい。涙が出そうだ。ガンガンに踊る。

音が止まる。Thank youと言ってお辞儀をするゲッチング。沸く場内。ステージに飛び出してきてゲッチングと抱き合う宇川。そして叫ぶ。「生E2-E4、ヤバかったですね。12時間ありがとう。でも募金が足りないんだよ!」しました><

再び音が鳴る。ゆったりとした過去のアルバムからのナンバー、そしてダンスビートが映える新曲(!?)を披露。音と光の粒が飛んで弾ける。感無量。

新幹線に乗って帰宅して、寝て、起きて、いまこの文章を打っているんだけど、あれもしかして夢だったのかなと思うくらい、とんでもない夜だった。

皆さん、お疲れさまでした。