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From The Inside

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とよ田みのる『タケヲちゃん物怪録』『CATCH&THROW』に見る愛とコミュニケーション

幸福って何だろう?

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僕が愛してやまない漫画家の1人、とよ田みのる。『ラブロマ』『FLIP-FLAP』『友達100人できるかな』と名作を発表し続けている人物です(ちなみに僕はFLIP-FLAPが一番好きです。世界初のピンボール・ラブコメディ!)。そんなとよ田さんの新作がこちら。

とある事情から祟りによって世界一「不運」な女の子として生きているタケヲちゃんが親元を(自分の不運に巻き込まないように)離れ辿り着いた下宿先は妖怪屋敷「百鬼荘」。人間が驚いたときに出す「陰の気」が大好物な妖怪たちはタケヲちゃんを脅かそうとするが、数限りない不運に見舞われてきたタケヲちゃんは妖怪の脅かしに梨の礫。ところが、大家である座敷童子の山本六郎左衛門の素顔を見て初めて驚き、それ故に山本から「儂にはお前が必要なのだ」と言われます。生まれて初めて人(ただし妖怪)から「必要だ」と言われ、生まれて初めて「幸福」を感じるタケヲちゃん。やがて妖怪たちは、タケヲちゃんが「幸福を感じると驚く」という事実に気付き、彼女を幸福にしようとし始めます。もちろん「人を幸福にする」という能力を持つが故に、人を脅かす存在である妖怪としてコンプレックスを抱いていた山本も。

タイトルからして稲生物怪録をベースにしている、というか作品内でも言及しているし、タケヲちゃんのフルネームは稲生武太夫ならぬ稲生武夫なわけですが、それよりもなによりも、もう完璧にこの「不運な少女」と「人を幸福にする妖怪」という設定が完璧すぎると思いませんか。面白くないわけがない。当然、登場する妖怪たちは皆とよ田みのる節全開なわけで、ポップでファニーで、安心して笑えます。「勘違いしないでよね!!!」と赤面しながら言い放つ「ツンデレ妖怪」という新境地を開拓してしまった作者は本当に天才なのではないかと本気で思います。

そして、これはやはり愛とコミュニケーションの物語なのです。ラブロマが、FLIP-FLAPが、友100がそうであったように。

Amazon.co.jp: とよ田みのる短編集CATCH & THROW (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル): とよ田 みのる: 本

同時刊行の短編集がこちら。表題作でもある『CATCH&THROW』がとにかく素晴らしいです。小さな島で出会った外国人の少女と日本人の少年の、フライングディスクによる交流の物語。ラブコメ(ラブロマ)の話であり、マイナーゲーム/スポーツ(FLIP-FLAP)の話であり、コミュニケーション(友100)の話である本作は、まさに「CATCH」と「THROW」で成立するこの世界の縮図そのものです。

CATCHして、THROWする。

パパとママはCATCH&THROWができなかったの。
ただ投げてそれを捕るだけ。簡単なことなのにね。

愛とコミュニケーションなんだよ。

『タケヲ ちゃん物怪録』『とよ田みのる短編集』カラー原稿まとめ - Togetterまとめ
幸福を知らない少女が人間臭い妖怪達と出会ったら 『タケヲちゃん物怪録』の話 - ポンコツ山田.com
http://deb.at.webry.info/201205/article_13.html
タケヲちゃん物怪録 1巻 とよ田みのるの最新作は、超不幸少女と妖怪の楽しくてあったかい物語! -- 良キ漫画求ム!
http://zelkova777.blog115.fc2.com/blog-entry-276.html