From The Inside

Ubique Media Daemon

異常な盛り上がり((C)デッツ松田)が予想できることの功罪

id:hitode909さんが面白いことを書いていました。

SoundCloudとか,beatportの試聴とか,聞いてると,波形が出る.
(中略)
かっこいいけど,次にどうなるか,聞く前にわかってるの,おもしろさが減るかもしれない.
映画とかで,爆発は2分後ですとか,あと3秒で大きい音が出ますとか,いまは感動のシーンですとか出たらいやだと思う.

■ - hitode909の日記

「盛り上がるべき場所が事前に分かる」のは便利ですね。でも面白くない。

DJソフトウェアで波形が出るのは便利です(というか出ないのはあり得ませんね)。ちなみにアナログレコードも溝を見れば「あの辺でブレイクだな」とか分かるので便利です。でも純粋に曲を聴きたいだけなら展開は分からない方が面白そうです。

同じようなことを「本」というメディアで感じたことがあります。本は優れたメディアですが、欠点があります。「残りがどのくらいか分かる」点です。ああいま半分くらいだなとか、もうすぐ終わるからクライマックスくるなとか、予想できてしまいます。本は残りのページ数が分からなくなるような仕掛けを施すべきです。べきは言い過ぎました。

これは映画やドラマでも同じです。2時間とか事前に時間が分かっていると、だいたいどのくらいで何がくるか予想できるようになります。良い映画は時間の感覚を吹き飛ばしてくれるので良いですね。映画を見ているときに時計を見てはいけません!

僕は一時期、いわゆるノベルゲームにハマったことがあります。アレの良さは「物語があとどれくらい続くか分からない」点にあります。いまのこの盛り上がりがクライマックスなのか、実はさらにその先に5時間くらい続くのかがまったく分かりません。やめどきを見失って徹夜する事態に陥ったりするのは危険ですが、物語を楽しむ上で極めて優れたメディアだと今でも思っています。ノベルゲームに限らず、ストーリー性を持つゲームはだいたい同じ構造です。バラモスを倒したと思ったらゾーマが出てきたとか。映画だとまだ時間がたっぷり残っている段階でバラモスが倒されてしまうので展開が読めてしまいます。マンガとか小説とかの連載モノはどちらとも言えます。鷲巣麻雀はいつまで続くのでしょうか。

一方で、「盛り上がりどころを指定する」作法も実はあって、それはそれで需要があります。テレビのテロップなんかは最たるもの。音楽にしたって、もうすぐサビがくるぞーきたーわーい、とか、キックが抜けてもうすぐブレイクだーわーい、とかいって盛り上がります。予定調和も必要なんですね。やっぱり水戸黄門のラスト5分くらいになったら印籠が出てほしいじゃないですか。「印籠もうすぐです!」とかテロップが出てもいいくらいだと思います。ニコ動で「くるぞ……」「※鳥肌注意」とか書かれるアレですよ! うん、やっぱりイヤだった。まあアレだ、受け手がどっちの方が喜ぶかなって考えるのが大切なんですよ、きっと。

このエントリーの盛り上がりどころは特にありません。